朝日観音普談寺(新潟県新潟市)

新潟市秋葉区朝日にある普談寺は「朝日観音」と呼ばれ、地元の人々に信仰される古刹。
寺伝によると、本尊の十一面観音菩薩は大阪の海より出現し、空を飛んでこの地までやってきたとのこと。越後三十三観音の三十番札所でもある。

山門の仁王様も健康祈願のためか参拝者によって体中に布が巻き付けられている。
今もこうした民間信仰が盛んなお土地柄のようだ。

そしてさらに熱い民間信仰を感じさせるものが境内の一角にひっそりとある。
ガラス張りになった小さなお堂の扉を開くと……、


おお~~~っ! 立体地獄!!




さらには阿弥陀如来の来迎の様子が再現された「極楽浄土」、地蔵菩薩が鬼から子供たちを救う様子が再現された「賽ノ河原」もあり、計三場面の様子が立体的に再現されている。
亡者の人形などはほとんど手のひらサイズのミニチュアながら、実に精巧に作られていて、思わず目を見張る出来栄え。
古来より人々に悪事を戒め、正しい行いを説くのに「極楽・地獄」の教えが使われてきました。
その教えをわかりやすく伝えるために極楽や地獄の様子を絵に描いて、それを見せながら解説したものは「絵解き」と呼ばれ、全国各地のお寺で行われてきましたが、まさにこちらは「立体版絵解き」といえる作品。これは素晴らしい。

地獄といえばやはりこの方が主役、閻魔様。
閻魔様が亡者の生前の行いに対して裁きを下す閻魔庁も見事に再現されている。



生前の悪事が映し出される「浄玻璃鏡」、生前の悪事の重さを量る「業秤」、生前の悪事を全て話す「人頭杖」、罪を暴く閻魔様の三大秘密アイテムも再現。
閻魔様の前ではどんな嘘をついても全てお見通しなのです。


限られたスペースながらもコンパクトにわかりやすくまとめられていて、地獄での刑罰や奪衣婆もきちんと再現。

こちらは「燃えるご飯」。
食べ物を粗末にしたものは餓えに苦しむ「餓鬼界」という世界に落ち、食べ物を食べようとした瞬間に全て火に変わってしまう。この一品だけでその世界が十分伝わってきます。
それにしてもこうして立体化するとなんだかシュール。
ラストは亡者の方々をご紹介。
素朴な造形ながらも、そこにこめられた悪事を戒める教えがひしひしと伝わってきます。きっと多くの子供たちを恐れおののかせてきたことでしょう。



ほんと皆さんいい表情。

一番のお気に入りはやっぱりこの方。

「見てないで、お前も早くこっち来いや~」
どひぇえ~。そろそろ退散することにいたします。
というわけで極楽・地獄の教えを改めて学んだミニワールド。
恐ろしい地獄界に落ちないよう、普段の生活を見直し、正しく生きるようにしたいものですね。
でも、でも、でも……、やっぱり私は地獄が大好きだあ~~~!
(2011年6月)
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