高崎白衣大観音 ~観音様の恋話~ (群馬県高崎市)
我が故郷群馬県高崎市のシンボル、高崎白衣大観音。
群馬県民の魂「上毛かるた」にも「白衣観音慈悲の御手」と詠まれ、高崎市のみならず群馬県中の人々から「観音様」と呼ばれて親しまれている存在です。
初詣も観音様、学校の遠足も観音様、家族での休日も観音様、そして恋人同士でのデートも。
そうなると付きものなのがこんなウワサ。
「観音様でデートをすると、観音様が嫉妬して別れさせてしまう」
はい出ました。デートスポット名物の縁切りジンクス。
観音様にとってはちょっと迷惑な話かもしれませんが、ディズニーランドしかり、江ノ島しかり、カップルが多く集まる場所には付きものなウワサの訳で、それだけ観音様が群馬県で人気の定番デートスポットだということでしょうか。
さらに観音様の場合はこんな設定も加わります。
「実は高崎の観音様は鎌倉の大仏様と恋人同士で、遠距離恋愛の末に別れてしまった」
これは大仏界騒然の大スクープ。
ちなみに観音様の持つ巻物も「大仏様からのラブレター」で今も大事に持っているとのことです。
やはりこれも「高崎白衣大観音」と「鎌倉大仏」が関東を代表する大仏として人々に親しまれている証でしょうか。
まあ、いずれもたわいのない若者たちの間でのウワサなんですが、「神社仏閣専門家」視点で見てみると、面白い関係が浮かび上がってきます。
高崎白衣大観音は「白衣観音」、鎌倉大仏は「阿弥陀如来」という仏様です。実は仏教でも一説では「白衣観音は阿弥陀如来の妃」だといわれています。
群馬の若者たちのウワサと仏教のお話が不思議にリンクしているのです。
ところで最近ではそんな縁切りスポットのイメージを払拭し、新たな「縁結びスポット」として盛り上げるためにこんな行事が行われています。
毎年2/14バレンタインデーから3/14ホワイトデーまでの一ヶ月間、その名も「赤い糸祈願祭」。
どんな行事かというと……、
ジャ―――――ン!
観音様の“慈悲の御手”に赤い糸が!
なんと観音様が自らの体を張って縁結び。
観音様の小指と結ばれた赤い糸の先を自分の小指に絡ませて願うと、観音様が仲立ちとなって、運命の相手との良縁を結んでくださるとのこと。
一人で願えば素敵な相手との出会い、カップルで願えばさらに仲が深まるかも。
というわけで、私もやってみました。
高崎白衣大観音は神社仏閣専門家としての私の原点。
観音様がつないでくださった数々のご縁に感謝です。
観音様の近くで「ハートマーク」も発見。
(※注 こちらのハートマークは「猪目」と呼ばれる魔よけのデザインです)
観音様の慈愛に包まれたとっても幸せいっぱいのお祭り。ぜひお参りを。
さて、私たちのために頑張ってくださっている観音様。
やはり観音様にも何か私からもお礼がしたい、ということで、ささやかながらこんなプレゼントを差し上げました。
高崎の観音様と鎌倉の大仏様、ひさびさのデート!
(私の著書『大仏をめぐろう』より)
そう、実はこんなところでお二人は再会されていたのでした!
えっ?大仏様に背中を向けちゃってるじゃないかって!?
それはきっと……、
照れていらっしゃるんですよ!
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