天下の義人茂左衛門(群馬県みなかみ町)
群馬県みなかみ町月夜野にある「茂左衛門地蔵尊千日堂」。
群馬県外の方にはほとんど知られていない場所かと思いますが……、
しかし! 我が故郷群馬県では茂左衛門さんの名前を知らない方はほとんどいないでしょう!
群馬県民の魂「上毛かるた」にも詠われた「天下の義人茂左衛門」をまつったお寺なのです!
(中には「天下の義人ドラえもん」で覚えちゃってる方もいるかもしれませんが……)
ただし群馬県民でも、茂左衛門さんの名前は知っていても何をした方なのか知らない方も多いはず。
というわけで、今回は茂左衛門地蔵尊千日堂を紹介します。


こちらが上毛かるたの絵札でもおなじみの千日堂。
堂内には茂左衛門さんとその妻子を供養するために建立されたお地蔵様がまつられています。
茂左衛門さんは今から300年ほど前の江戸時代に領主の悪政から人々を救うために身を投げ打って将軍に直訴をし、磔となった天下の義人です。
村人はその遺徳をしのんで千日の間、茂左衛門さんを供養したと伝えられ、茂左衛門さんをまつるお堂は千日堂という名前で呼ばれています。
茂左衛門さんの功績は隣接する資料館にて見ることができます。
当時の領主は沼田藩の真田伊賀守信直。
戦国時代に活躍した名門真田家の子孫ですが、先祖の顔に泥を塗るまさに暴君極まる残虐非道ぶり。

領民たちに重税を課し、本人は贅沢三昧の伊賀守。
まさにステレオタイプの悪行三昧。


通常の約5倍の大きさの「伊賀枡」を使って年貢を取り立てたのをはじめ、婚礼をすれば税、子供の数に応じて税、鍬に柄があれば税、家に窓があれば税と、滅茶苦茶な理由で領民に重税を課し、納められない者は水責めの刑に処したといいます。
ほんとヒドい! ヒドすぎる! 誰か助けてあげて!



そこで苦しむ領民たちを救うために立ち上がったのが茂左衛門さん。
単身江戸へと出向き、徳川家ゆかりの輪王寺の紋が入った箱を用意して中に訴状を入れ、わざと茶店に置き忘れ、見つけた店主によって江戸城へと届けられて無事直訴成功。
この訴状によって沼田藩はお取り潰しとなって領民は救われましたが、当時の掟に従って茂左衛門さんは妻子とともに磔の刑となってしまいました。
そして、人々は茂左衛門さんの供養のために、刑場近くに三体のお地蔵様を建立しました。
現在も茂左衛門さんの徳を慕って、地元の人々の手によって大切にまつられています。

地元の子供たちによる茂左衛門さんの功績を紹介する壁新聞もありました。

上毛かるたを通じて茂左衛門さんのことを知り、お参りに訪れる方も多いそうです。
茂左衛門さんの心はこれからもずっと伝えられていくことでしょう。
ちなみに茂左衛門地蔵尊は、先日発売のぐんまちゃんの写真集「ぐんまちゃんとお散歩」でも紹介されていましたが、お堂の管理人さんもその撮影に立ち会ったそうで、ちょっとした裏話を聞くこともできました。
実は境内にある鐘楼で鐘を撞くシーンも撮影しようとしたそうですが、頭がつかえてしまって登ることができず断念したそうです。

その鐘楼の入口。
ここでぐんまちゃん、頭挟まっちゃたのね。

ということで、“ぐんまちゃんの幻のカット”を代わりに一枚。
澄んだ音色が山里に響き渡りました。
茂左衛門さんの心が今も守り伝えられる茂左衛門地蔵尊千日堂。
皆さんもぜひお参りを。
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