庄川大仏(富山県砺波市)
十数年ぶりに富山県砺波市の庄川大仏を参拝しました。





庄川大仏は光照寺境内にまつられる昭和8年建立、高さ10.2メートルの鉄筋コンクリート造の大仏様で、高岡市の高岡大仏、射水市の小杉大仏と並んで「富山三大仏」の一つに数えられています。昭和3年に当時光照寺住職であった君道法師が発願し、全国各地の信者の方々からの浄財によって建立されたもので、「十万納骨大仏」とも呼ばれています。
今年の9月に訪れましたが、三十数年ぶりとなる修復がちょうど終わったばかりで、綺麗にお色直しされて光輝いておられました。
(修復前の姿はこちら)
鮮やかなお身体の緑色が青空に映えます。





制作者は地元富山の名工、竹内源造師。竹内師は明治~昭和初期にかけて活躍し、とくに鏝絵(こてえ。壁面装飾として、「こて」で仕上げた漆喰彫刻)の名人として数多くの傑作を残しています。
庄川大仏は竹内師が当時最先端の鉄筋コンクリートで挑んだ渾身の作。祈りをこめて堂々たる姿を見事造り上げました。もちろん台座の装飾や香炉も見事な出来栄えです。
私の著書「大仏をめぐろう」でも記した通り、関東大震災以降、耐震性と耐火性に優れた鉄筋コンクリートは注目を集め、昭和初期には愛知県東海市の聚楽園大仏、愛知県西尾市の刈宿の大仏、大分県別府市の別府大仏(現存せず)、群馬県高崎市の高崎白衣大観音など、全国各地で鉄筋コンクリート造の大仏が建立されました。鉄筋コンクリートこそ、燃えず、崩れず、永久不変な仏様の姿を表現するのにふさわしい「夢の新素材」と考えられていたのです。そうした人々の祈りや願いの“こころ”を感じるから、私はコンクリート仏に魅かれるのです。
庄川大仏もそんな人々の“こころ”がこめられた素晴らしい大仏様です。

そして大仏様と並んで、魅力的なのが大仏様の前で座る鬼。こちらも竹内師の作とのこと。
造形の素晴らしさはもちろんのこと、実はこちらの鬼……、

「賽銭箱」だったりして。


手に持つ蓮の葉の中心に穴が開いていて、そこからお賽銭を入れます。
こんな賽銭箱、見たこと無い。まさに奇想天外。

庄川大仏は2011年に砺波市の「ふるさと文化財」に選定、さらに今年6月には「庄川大仏を護る会」が結成されて、今回の修復費用も有志の皆さんのご寄付によって集められたとのこと。
大仏様はやはりどこでもみんなの人気者ですね。これからも私たちをどうぞお見守りください。


砺波市のお隣、射水市は竹内師の故郷。市内にある「竹内源造記念館」には竹内師の鏝絵や制作に使った「こて」、庄川大仏の下図などが展示されています。
庄川大仏参拝の際にはこちらもぜひ訪れてみてください。
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