プロフィール

  • 坂原弘康
    (神社仏閣専門家)


    群馬県高崎市出身(現在東京都在住)。
    「神社仏閣専門家」として、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌など各メディアで活動。
    著書に日本初の大仏専門書『大仏をめぐろう』。


    メディアへの出演および取材協力、商業誌への執筆および取材協力など、各種仕事のお問い合わせは「依頼内容」「依頼料」を必ず明記の上、ご連絡をお願いいたします。
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2019年12月27日 (金)

関東の花井探嶺 ~子ノ権現天龍寺編~

今年の秋、愛知県常滑市の大善院で一人の彫塑家についての展覧会が開催されました。
その名は「花井探嶺」

花井探嶺は明治12年に三重県菰野町で生まれ、戦前から戦後にかけてコンクリートを用いた作品を多く手掛けたそうで、大善院にも昭和19年制作の平和観音像が残されています。
残念ながら仕事等でスケジュールがあわず、展覧会には行くことができなかったのですが、観音様の造形は大変素晴らしく、機会があればぜひ参拝したいと思いました。

参考までに「花井探嶺展」のチラシはこちら(外部リンク)

 

さてここからが本題。

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先日、埼玉県飯能市の「子ノ権現天龍寺」に参拝してきました。
平安時代に「子ノ聖」によって創建され、人々を足腰の病から救済する誓いを立てたことから、足腰守護の仏様として信仰されています。

※これまでに「週刊ポスト」などでも紹介いたしました。こちら(外部リンク)参照

 

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来年の子年は、12年に1度の御本尊御開帳も行われます。

 

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参道には足腰守護の仏様のお寺にふさわしく、立派な体躯の仁王様が守っています。

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綺麗に彩色されているので近年の作と思われがちですが、実は昭和11年に作られた戦前のコンクリート像
東大寺南大門像をモデルにしながらも個性的に仕上げられています。肉体や衣文の造形も見事です。

 

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定期的にメンテナンスもされているようで、大変色鮮やかです(※下画像2枚は2005年の撮影)。
仁王様が人々に愛されているのが伝わってきます。

 

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台座のデザインも見事です。
台座には建立に関わった人々の名前が記された銘板があるのですが、作者名を改めて調べてみたところ……、

 

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な、な、なんと花井探嶺!

十数年前にも銘板を一度調べたことはあったのですが、当時調べた内容もそれからずっと見返してなかったので、制作年以外は失念していました。
花井探嶺は三重や愛知といった東海地方で活躍した彫塑家だと思っていたので、まさか関東でその名前と作品と出会うとは本当に驚きです。

花井探嶺の名前の隣には「東京市大井町」(現在の東京都品川区の一部)の地名もあります。
どうやら花井探嶺は東京に住んでいた時期があったようです。ちなみに私も二十数年前の20代の頃、大井に住んでいたことがあり、親近感を覚えました。

 

むむっ! 大井町!?

その地名を見て、あるお寺の像のことがピンと来たのです。
もしかしたらあの像も花井探嶺の作品かも!?

 

それを確かめるべく、後日そのお寺を訪ねてみました。
そして、そこでは衝撃の出会いが待っていたのです。 

(つづく)

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