【社寺彫刻図鑑】黄石公と張良
中国の秦時代の仙人・黄石公と漢(前漢)の高祖(劉邦)の軍師・張良の逸話を表したもの。
まだ張良が漢の高祖に仕える前の若き日、一人の老人と出会いました。すると老人はわざと靴を橋の下に落とし、張良に拾うように命じました。張良は頭にきましたがぐっと我慢し、橋の下から靴を拾ってきて老人に履かせると、老人は「お前に教えたいことがあるから、五日後の朝にここに来い」と言いました。
張良が五日後の朝に橋へ行くと、老人が先に来ていて「年長者を待たせるとは何事だ。五日後に出直してこい」と怒って帰ってしまいました。その五日後、今度は日の出前に橋へ行くと、またも老人が先に来ていて「また五日後に出直してこい」と怒って帰ってしまいました。そこで今度は約束の前日の夜から橋で待っていたところ、老人はついに張良を認めて、兵法の秘伝書を授けたのでした。
老人の正体は黄石公という仙人であり、張良は黄石公から授かった書をよく読んで兵法の奥義を極め、後に漢の高祖に仕えて、軍師として活躍しました。
日本では上記の逸話を元に、室町時代の能楽師・観世信光によって謡曲「張良」が作られましたが、張良が既に漢の高祖の家臣である、黄石公が馬に乗る、靴を拾いに行った張良が川から出現した龍と戦う(龍は戦いの後、張良の守護神となる)など、独自の設定が加えられており、これに基づき、黄石公が馬、張良が龍に乗る作例も多く見られます。


西本願寺(京都府京都市)

三峯神社(埼玉県秩父市)

三嶋大社(静岡県三島市)

高尾山薬王院(東京都八王子市)

龍口寺(神奈川県藤沢市)

箭弓稲荷神社(埼玉県東松山市)


熊野神社(埼玉県越生町)

柳原馬頭観音堂(群馬県高崎市)

津久根八幡神社(埼玉県越生町)

大杉神社(茨城県稲敷市)

宝登山神社(埼玉県長瀞町)


田無神社(東京都西東京市)

金鑚神社(埼玉県本庄市)

【参考】日光東照宮(栃木県日光市) 麒麟に乗る張良とされる
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