【社寺彫刻図鑑】猩々
猩々(しょうじょう)は中国の妖怪で、人面獣身で言葉をしゃべり、体毛は長くて赤い色をしており、酒が大好物といわれています。
とくに日本では、室町時代に謡曲「猩々」が作られ、それを通じて福の神として受容されていきました。
(江戸時代には七福神の一員に加えられたこともあります)
謡曲「猩々」のあらすじは以下の通りです。
その昔、中国に高風という大変親孝行な若者がいました。ある夜の夢で、市場でお酒を売れば富を得るというお告げを受け、その通りに市場で酒売りを始めたところ、大いに繁盛しました。
お客の中には一人、いつもどんなに酒を飲んでも顔色が変わらない者がいたので、高風が不思議に思って名を尋ねると、その者は「潯陽江(じんようこう)に棲む猩々」と答えました。
そこで高風はその日の夜、酒を持って潯陽江を訪ねると、猩々はとても喜んで、酒を飲み、舞を踊りました。そして、猩々は誠実で親孝行者の高風を褒め称え、どんなに汲んでも尽きることのない酒瓶を与えたといわれます。
猩々は縁起のいい題材として社寺彫刻でも表わされますが、能の衣装や小道具に倣い、赤い長髪で、ひしゃく、盃、扇を持ち、酒瓶とともに表されます。
また複数の猩々が現れて酒を飲んで舞い踊る「大瓶猩々(たいへいしょうじょう)」という謡曲もあり、これに倣って、複数の猩々が表される作例も多いです。

妻沼聖天山(埼玉県熊谷市)

秩父神社(埼玉県秩父市) 高風(左の人物)が表されている



高鳥天満宮(群馬県板倉町)

柳原馬頭観音堂(群馬県高崎市)

辛科神社(群馬県高崎市)


八坂神社(群馬県高崎市)

医王寺(栃木県鹿沼市)
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